1)

 K. Yamaguchi & W. Miki (1981) Comparison of carotenoids in the integument of cobalt, albino and normal rainbow trout, Salmo gairdnerii irideusComp. Biochem. Physiol., 68B, 517-520.

数万~数十万尾に一尾の頻度で現れるニジマスの珍品種コバルト種について,その体表色素をアルビノ種およびノーマル種と比較検討した。その結果,コバルト種は普通種と比較して約1/4量のメラニン含量が特徴的で,体表のコバルト色はカロテノイド,プテリジン類およびメラニンの複合的な構造色によるものと推定した。

2)

 W. Miki, K. Yamaguchi & S. Konosu (1982) Comparison of carotenoids in the ovaries of marine fish and shellfish.  Comp. Biochem. Physiol., 71B, 7-11.

魚類10種,甲殻類4種,貝類4種,計18種について,卵巣に含まれるカロテノイドの組成について検討した。その結果,卵巣カロテノイドはその大部分がエステルではなく遊離型で存在すること,β‐タイプが圧倒的に主成分として存在するがβ‐カロテンは普遍的ではなく,アスタキサンチンが主成分として存在することなどを明らかにした。

3)

 K. Yamaguchi, W. Miki, N. Toriu, Y. Kondo, M. Murakami, S. Konosu, M. Satake & T. Fujita (1983) The composition of carotenoid pigments in the Antarctic krill Euphausia superbaBull. Japan. Soc. Sci. Fish., 49, 1411-1415.

養殖魚の餌料として用いられるナンキョクオキアミのカロテノイド組成を検討した。その結果,カロテノイド含量は約3.2mg/100gであり,アスタキサンチンジエステルが50%以上を占め,主成分として存在し,次いでモノエステルであった。一方,遊離型アスタキサンチンは10-15%に過ぎなかった。


4)

 W. Miki, N. Toriu, Y. Kondo, M. Murakami, K. Yamaguchi, S. Konosu, M. Satake & T. Fujita (1983) The stability of carotenoid pigments in the Antarctic krill Euphausia superbaBull. Japan. Soc. Sci. Fish., 49, 1417-1420.

ナンキョクオキアミ中のカロテノイド主成分であるアスタキサンチンのジエステル,モノエステルおよび遊離型について,各種溶媒中での保存性および加熱による安定性について検討した。その結果,溶媒のうち極性の低いベンゼンやヘキサン中でアスタキサンチンは安定であった。また,ジエステルが各条件でもっとも安定であり,遊離型が最も不安定であった。

5)

 T. Fujita, M. Satake, S. Hikichi, M. Takeda, S. Shimeno, H. Kuwabara, W. Miki, K. Yamaguchi & S. Konosu (1983) Pigmentation of cultured yellowtail with krill oil.  Bull. Japan. Soc. Sci. Fish., 49, 1595-1600.

ナンキョクオキアミより得た色素油を用いて養殖ブリ(ハマチ)の体色改善を試みた。その結果,カロテノイド換算で3-6mg/100g餌料の投与により,ブリ特有の体側部の黄線が顕著に現れた。また,この過程でアスタキサンチンからツナキサンチンに至る還元系+二重結合の変換を伴う代謝経路が推定された。

6)

 W. Miki, K. Yamaguchi & S. Konosu (1983) Carotenoid composition of Alaska Pollack roe at different stage of maturation.  Bull. Japan. Soc. Sci. Fish., 49, 1615.

スケトウダラの卵巣(タラコ)に存在するカロテノイドと,卵巣の成熟との関連について検討した。その結果,卵巣1個当たりのカロテノイド含量は卵巣重量が約100g以下まではほとんど変化が認められず一定であった。一方,それ以上成熟が進むと含量は激減し,アスタキサンチンおよび4-ケトゼアキサンチンのジエステルが消失してすべて遊離型となって検出された。本結果は,これらのカロテノイドが卵成熟や受精に重要な役割を果たしている可能性を示唆するものである。

7)

 T. Fujita, M. Satake, T. Watanabe, C. Kitajima, M. Takeda, S. Shimeno, H. Kuwabara, W. Miki, K. Yamaguchi & S. Konosu (1983) Pigmentation of cultured red sea bream with astaxanthin diester purified from krill oil.  Bull. Japan. Soc. Sci. Fish., 49, 1855-1861.

ナンキョクオキアミのカロテノイド主成分であるアスタキサンチンジエステルを用いることにより,養殖マダイの体色改善を有効にはかれることを明らかにした。その有効濃度は3-5mg/100g餌料であった。なお,マダイにおいてもブリの場合と同様にアスタキサンチンからツナキサンチンに至る還元系+二重結合の変換を伴う代謝経路の存在が示唆された。

8)

 K. Yamaguchi, W. Miki, S. Konosu & T. Fujita (1983) Pigmentation of cultured yellowtail and red sea bream with carotenoids extracted from the Antarctic krill.  Bull. Cent. Natl. l’Exploitn. Oceans, pp. 13-32.

ナンキョクオキアミより得た色素油を用いて養殖ブリおよびマダイの体色改善効果を再確認するとともに,推定されたアスタキサンチンからツナキサンチンに至る代謝経路をこれら魚類の体表カロテノイドを経時的に追跡することにより,平面構造的に確認した。このように還元系+二重結合の変換を伴うカロテノイド代謝経路の存在は世界初の発見である。

9)

 W. Miki, K. Yamaguchi, S. Konosu & T. Watanabe (1984) Metabolism of dietary carotenoids to eggs in red sea bream.  Comp. Biochem. Physiol., 77B, 665-668.

餌料中の各種カロテノイドの養殖マダイ卵への移行と代謝について検討を加えた。その結果,β‐カロテンは移行せず,カンタキサンチンはそのままの形で移行し卵に蓄積された。一方,アスタキサンチンは大部分はそのまま,一部は4‐ケトゼアキサンチンに還元され移行・蓄積された。また,アスタキサンチンジエステルは脱エステル化されて遊離型となった。すなわち,マダイの場合,体表と卵ではカロテノイド代謝機構が互いに独立していると考えられた。

10)

 W. Miki, K. Yamaguchi, S. Konosu, T. Takane, M. Satake, T. Fujita, H. Kuwabara, S. Shimeno & M. Takeda (1985) Origin of tunaxanthin in the integument of yellowtail (Seriola quinqueradiata).   Comp. Biochem. Physiol., 80B, 195-201.

養殖ブリの餌料に(3R,3′R)-アスタキサンチンジエステルあるいは遊離型ルテインAを添加して投与し,ツナキサンチンへの還元+二重結合の変換を伴う代謝経路を立体化学的に検討した。その結果,(3R,3′R)-アスタキサンチンは還元系ではイオノン環の立体構造が保持されたまま(3S,3′S)-ゼアキサンチンまで代謝された後,二重結合の変換を伴って主としてツナキサンチンCに代謝された。一方,ルテインAはまず3’位のエピメリゼーションが起ってルテインBに変換された後,アスタキサンチンの場合と同様な経路をたどってツナキサンチンまで代謝された。すなわち,アスタキサンチンからツナキサンチンへの代謝は立体化学的に証明され,回遊性大型海産魚に広くカロテノイド主成分として存在するツナキサンチンの起源は,ε-カロテンなどの炭化水素ではなく,アスタキサンチンやルテイン,ゼアキサンチンなどであり,これらが還元的に代謝されるものと推定された。

11)

 W. Miki, K. Yamaguchi & S. Konosu (1986) Carotenoid composition of Spirulina maximaBull. Japan. Soc. Sci. Fish., 52, 1225-1227.

藍藻スピルリナに存在するカロテノイドについて検討を加えた。その結果,主成分はゼアキサンチンであり,天然界において数少ないゼアキサンチンの供給源としてスピルリナは有効であることが明らかになった。また,配糖体の他に3’-ヒドロキシエキネノンの存在を確認した。

12)

 W. Miki, M. Sugiyama, M. Ohnishi, Y. Naya, K. Nakanishi & M. Murata (1986) “Molt-inhibiting hormone” in the eyestalks of crabs, Tennen Yuki Kagobutsu Toronkai Koen Yoshishu, 28, 113-120.

甲殻類の脱皮制御物質を探索するin vitroスクリーニング系を構築し、カニの眼柄よりトリプトファンの代謝産物であるキサンツレン酸を活性物質として単離した。本物質はESR測定の結果、ヘムと鉄錯体を形成することによって活性が発現すると推定された。

13)

 T. Mori, T. Muranaka, W. Miki, K. Yamaguchi, S. Konosu & T. Watanabe (1987) Pigmentation of cultured sweet smelt fed diets supplemented with a blue-green alga Spirulina maximaNippon Suisan Gakkaishi, 53, 433-438.

論文(11)でゼアキサンチンの供給源であることが明らかになったスピルリナを用い,養殖アユの体色改善を試みた。その結果,ゼアキサンチン換算5mg/100g餌料程度の添加で体色は改善され,体側部の鮮やかな黄色が発現した。また,ゼアキサンチンはそのまま皮および皮下組織に移行・蓄積された。

14)

 S. Arai, T. Mori, W. Miki, K. Yamaguchi, S. Konosu, M. Satake & T. Fujita (1987) Pigmentation of juvenile coho salmon with carotenoid oil extracted from Antarctic krill.  Aquaculture, 66, 255-264.

ナンキョクオキアミ色素油を用いて養殖ギンザケの肉食改善を試みた。その結果,アスタキサンチン換算で約5mg/100g餌料の濃度で肉食を改善できた。なお,オキアミ中のアスタキサンチンジエステルは脱エステルされて遊離型として血中を移動し,そのまま筋肉に移行・蓄積されると推定された。

15)

 Y. Naya, K. Kishida, M. Sugiyama, W. Miki, M. Ohnishi & K. Nakanishi (1988) Endogenous inhibitor of ecdysone synthesis in crabs.  Experientia, 44, 50-52.

甲殻類の脱皮はY‐器官より分泌されるプレホルモンエクジソンと脱皮ホルモン本体であるエクジステロンによって促進される。一方,眼柄を切断すると脱皮間隔が広がり,眼柄に脱皮抑制活性物質の存在が示唆された。そこで,眼柄よりY‐器官ホモゲネートの酸化阻害を指標として活性物質を分離した結果,トリプトファンの代謝産物であるキサンツレン酸を得た。本物質が脱皮ホルモンによる酸化酵素活性を阻害し,脱皮を抑制すると考えられた。

16)

 E. Benedikt, A. Cossauer, H-P. Kost, W. Miki & K. Yamaguchi (1988) Biliverdin δ and neobiliverdin δ, isolated from the ovaries of the marine snail, Turbo cornutusEur. J. Biochem., 175, 643-648.

ビリベルジン類はヘムの代謝的解裂によって生じるが,ヒトではA~D環間が解裂し,いわゆるビリベルジンαを生成する。一方,サザエ卵巣より緒形らはツルボベルジン(A~B環間で解裂)を分離・報告している。今回,我々はC~D環間の解裂によって生じるビリベルジンδおよびネオビリベルジンδを分離・同定した。これらの発見は,サザエはヒトとは全く異なるヘム代謝機構を有することを証明するものであり,また,近縁のアワビ類とも異なる(α族のみ)ものであった。

17)

 Y. Naya, M. Ohnishi, M. Ikeda, W. Miki & K. Nakanishi (1989) What is molt-inhibiting hormone?  The role of an ecdysteroidogenesis inhibitor in the crustacean molting cycle.  Proc. Natl. Acad. Sci., USA., 86, 6826-6829.

甲殻類の脱皮抑制物質として単離したキサンツレン酸およびその前駆体である3-ヒドロキシキヌレニンをカニに in vivo で投与し,脱皮に与える影響を検討した。その結果,3-ヒドロキシキヌレニン投与区で明らかに脱皮周期の遅延が生じ,これらが脱皮抑制ホルモンとして作用している可能性が示唆された。

18)

 倉繁 迪・岡添陽子・沖増英治・安東由喜雄・森 將晏・幹  渉・井上正康・内海耕慥 (1989) フリーラジカルによる生体膜障害とアスタキサンチンによるその防止.  Cyto-Protect. Biol., 7, 383-391.

アスタキサンチンの生体膜障害抑制活性を検討した。その結果,二価鉄あるいはモール塩によって誘起される生体膜障害をアスタキサンチンは効果的に抑制し,その活性はα‐トコフェロールの数十倍~数百倍であった。また,ラットを用いた in vivo 実験において,赤血球膜のリン脂質の過酸化を効果的に阻害した。また,カラゲニン誘発性炎症を抑制した。すなわち,アスタキサンチンは優れた抗酸化剤として産業上の応用の可能性があると考えられた。

19)

 Y. Naya, W. Miki, M. Ohnishi, M. Ikeda & K. Nakanishi (1989) Endogenous xanthurenic acid as a regulator of the crustacean molt cycle.  Pure Appl. Chem., 61, 465-468.

キサンツレン酸およびその前駆体である3-ヒドロキシキヌレニンのカニ脱皮に与える影響を検討し,さらに脱皮周期に対する活性を調べた。その結果,X-器官より3-ヒドロキシキヌレニンのかたちで分泌され,分泌後,酵素的に活性本体であるキサンツレン酸に代謝されると推定された。これらと脱皮ホルモンとの間には相関関係は認められなかった。

20)

 W. Miki (1991) Biological functions and activities of animal carotenoids.  Pure Appl. Chem., 63, 141-146.

代表的な動物カロテノイドの一重項酸素消去活性を検討した。その結果,アスタキサンチン,カンタキサンチン,ゼアキサンチンなどに強い活性が認められた。一方,エステル型では活性は認められなかった。脂質過酸化阻害活性は,アスタキサンチンやカンタキサンチンで強く認められた。なお,最も強い活性が認められたのはアスタキサンチンで,その活性はα‐トコフェロールの約500倍であった。

21)

 Y. Naya, M. Ohnishi, M. Ikeda, W. Miki & K. Nakanishi (1991) Physiological role of 3-hydroxykynurenine and xanthurenic acid upon crustacean molting.  Adv. Exp. Med. Biol., 294, 309-318.

キサンツレン酸およびその前駆体である3-ヒドロキシキヌレニンのカニ脱皮に与える影響を動物実験を通して詳細に検討した結果、カニ眼柄に蓄積されているのは3-ヒドロキシキヌレニンであり、脱皮周期に呼応してキサンツレン酸に代謝されると推定された。

22)

 T. Ikeda, Y. Kuroki, I. Kubota, H. Minakata, K. Nomoto, W. Miki, T. Kiss, L. Hiripi & Y. Muneoka (1992) SSFVRIamide Peptides – A new family of neuropeptides distributed interphyletically.  Peptide Chem., 65-70.

無脊椎動物に存在する内因性神経ペプチドの探索を実施してきたが,動物門をまたがって広く分布するペプチドの存在を見出した。これを分離・構造解析した結果,アミノ酸配列はSSFVRIで,C末端はアミドになっていた。この推定シークエンスを証明するため,Fmoc修飾アミノ酸を用いて固相法で誘起合成し,各種電気生理学的性質を比較してSSFVRIamideの構造を確定した。

23)

 O. Matsushima, T. Takahashi, F. Morishita, M. Fujimoto, T. Ikeda, I. Kubota, T. Nose & W. Miki (1993) Two S-Iamide Peptides, AKSGFVRIamide and VSSFVRIamide, isolated from an annelid, Perinereis vancauricaBiol. Bull., 184. 216-222.

環形動物ゴカイよりAKSGFVRIamideとVSSFVRIamideの2種のペプチドを分離・構造決定した。これら2つのペプチドはゴカイの食道の収縮リズムを喚起したところから,消化管運動の制御に寄与していると考えられた。これら2つのペプチドのシークエンスは,ユムシやいくつかの軟体動物から分離されているS-Iamideペプチドと類似性が高かった。ゴカイの2つのペプチドのみならず,その他の環形動物や軟体動物のS-Iamideペプチドも同様にゴカイの食道の収縮リズムを喚起した。同様にこれらのペプチドはユムシや軟体動物の筋収縮を阻害するかあるいは抑制した。これらより, S-Iamideペプチドは動物門を超えて普遍的に存在する神経ペプチドであると考えられた。

24)

 T. Watanabe & W. Miki (1993) Astaxanthin: an effective dietary compound for red sea bream broodstock. Colloq. INRA., 61, 27-36.

養殖マダイ親魚より得られる卵からは40%程度の正常な仔魚しか得ることができない。従来、餌100g中に200mg程度のビタミンEを添加することでこれらを克服してきたが、今回、アスタキサンチン1~2mg程度の添加で同様レベル(70%程度まで上昇)の効果を得ることができた。すなわち、これらの効果は脂質の抗酸化と密接な関係があるものと考察される。

25)

 Y. Fujisawa, T. Takahashi, T. Ikeda, Y. Muneoka, I. Kubota, H. Minakata, K. Nomoto, T. Nose & W. Miki (1993) Further identification of bioactive peptides in the anterior byssus retractor muscle of Mytilus: Two contractile and three inhibitory peptides.  Comp. Biochem. Physiol., 106C, 261-267.

ムラサキイガイ足糸前牽引筋より2つの筋収縮活性ペプチドおよび3つの筋収縮阻害ペプチドを単離した。筋収縮活性ペプチドはそれぞれGPFGTHIKamideとGPFGLNKHGamideであった。足糸前牽引筋はこれらのペプチドに抵抗性を示した。筋収縮阻害ペプチドのうち2つはMIPファミリーに属し,RAPLFIamideとRSPMFVamideで,ともに足糸前牽引筋に対して与えた電気刺激に対して繰り返し阻害的に作用した。もうひとつはMIP関連ペプチド,MRYFVamideで,MIPほどの阻害効果は示さなかった。

26)

 S. Mizobuchi, N. Shimidzu, M. Katsuoka, K. Adachi & W. Miki (1993) Antifouling substances against the mussel in an octocoral Dendronephthya sp.  Nippon Suisan Gakkaishi, 59, 1195-1199.

ムラサキイガイの足糸を用いた付着を指標とし(平板足糸形成法),海洋無脊椎動物を対象に生物付着忌避物質のスクリーニングを実施してきたが,小笠原産八放サンゴDendronephthya sp.抽出物に効果的な忌避活性を認めた。これら成分を分離・同定したところ,各種脂肪酸とステロイドを得た。標準品を用いて構造活性相関を検討した結果,C8のカプリル酸が最も強い活性を認めた。

27)

 N. Dohmoto, K. Venkateswaran, T. Nose, H. Tanaka, W. Miki & S. Miyachi (1993) Marine mussel-thread-degrading bacteria and partial purification of proteinases responsible for degradation.  J. Mar. Biotechnol., 1, 83-87.

海洋性細菌を対象にムラサキイガイ足糸資化能を指標とするスクリーニングを実施した結果,日本海大和堆で採取したAlteromonas F12-50-A1株に資化活性を認めた。本菌株よりF15, F20およびF30の3種のプロテアーゼを分離した。これらはいずれも足糸を形成する基本単位のデカペプチドに対して活性を示した。各種プロテアーゼインヒビターを使用し,F15は金属プロテアーゼ,F20はセリンプロテアーゼ,F30はシステインプロテアーゼに分類された。

28)

 N. Shimidzu, M. Katsuoka, S. Mizobuchi, K. Ina & W. Miki (1993) Isolation of (-)-b-Bisabolene from the Octocoral Sinularia sp. as an Effective Repellent Substance against the Blue Mussel, Mytilus edulisNippon Suisan Gakkaishi, 59, 1951.

ムラサキイガイ付着忌避活性を指標とするスクリーニングの結果,活性を示した小笠原産八放サンゴSinularia sp. 抽出物より活性物質として(-)‐β‐ビサボレンを得た。炭化水素類で忌避活性を認めた最初の例である。

29)

 T. Ikeda, I. Kubota, W. Miki, T. Nose, T. Takao, Y. Shimonishi & Y. Muneoka (1993) Structure and actions of 20 novel neuropeptides isolated from the ventral nerve cords of an echiuroid worm, Urechis unicinctusPeptide Chem., 583-585.

環形動物ユムシの背側神経索より20個の新規神経ペプチドを分離し,これらのシークエンスと作用を決定した。これらのうち2つはユムシの体壁筋を収縮する活性を示し,構造はタヒキニンと類似しており,シークエンスはLRNSNFVGSRamideとAAGMGFFGARamideであり,それぞれウレチスタヒキニンIおよびウレチスタヒキニンIIと名づけた。これらはゴキブリの後腸の自発的なリズミカルな収縮を増強した。

30)

 S. Mizobuchi, K. Kon-ya, K. Adachi, M. Sakai & W. Miki (1994) Antifouling substances from an Octocoral Sinularia sp.  Fisheries Sci., 60, 345-346.

パラオ,ウーロン島付近で採取した八放サンゴ Sinularia sp. より付着阻害物質として13α-アセトキシプカリドおよび(9E)-4-(6,10-ジメチルオクタ-9,11-ジエニル)フラン-2-カルボン酸を分離した。前者はフジツボに,後者はムラサキイガイに特異的に活性を発現した。

31)

 W. Miki, N. Otaki, A. Yokoyama, H. Izumida & N. Shimidzu (1994) Okadaxanthin, a novel C50-carotenoid from a bacterium, Pseudomonas sp. KK10206C associated with marine sponge, Halichondria okadaiExperientia, 50, 684-686.

熱帯・亜熱帯をはじめ,強光下で棲息する海洋生物には何らかの光保護防御機構の存在が示唆される。そこで,各種無脊椎動物,海水,底泥等を分離源として海洋性微生物を分離し,まず,一重項酸素消去活性が知られるカロテノイドのスクリーニングを実施した。その結果,伊豆半島で採取したクロイソカイメン Halichondria okadai に共存する海洋性細菌 Pseudomonas sp. KK10206C株より新規C50カロテノイド,オカダキサンチンを分離・同定した。本カロテノイドは陸棲細菌より離されている既知カロテノイド,デカプレノキサンチンの構造異性体で,陸・海でのカロテノイド生合成の差違が推定された。

32)

 K. Kon-ya & W. Miki (1994) An all-seasonal assay for antifouling substances using reared barnacle larvae.  J. Mar. Biotechnol., 1, 193-195.

最も重要な付着生物であるタテジマフジツボ Balanus amphitrite の生活環を実験室内で完成することに成功した。すなわち,成体→(孵化)→ノープリウス幼生→キプリス幼生→成体の環を完成させた。本環に対する現在まで使用されてきた付着阻害物質に対する感受性などを調べることにより,通年使用できる生物付着阻害活性評価システムを構築することができた。

33)

 M. Kawamata, K. Kon-ya & W. Miki (1994) Trigonelline, an antifouling substance isolated from octocoral, Dendronephthya sp.  Fisheries Sci., 60, 485-6.
タテジマフジツボの幼生付着を指標とし,生物付着阻害物質検定スクリーニングを実施した結果,小笠原産八放サンゴ Dendronephthya

sp.抽出物より環状ベタインの一種,トリゴネリンを分離した。一方,本物質はムラサキイガイに対しては全く活性を示さなかった,そこで,類縁化合物についても検討を加えた結果,ホマリン,ピコリン酸,ニコチン酸等は全く活性を示さなかった。また,毒性も認められないところから,キプリス幼生の付着行動には何らかの受容体が寄与していることが示唆された。

34)

 I. Nishigaki, A. A. Dmitrovskii, W. Miki & K. Yagi (1994) Suppressive effect of astaxanthin on lipid peroxidation induced in rats.  J. Clin. Biochem. Nutr., 16, 161-166.

アスタキサンチンの脂質過酸化抑制活性について,α‐トコフェロールおよびエラグ酸をコントロールとして調べた。その結果,四塩化炭素を投与による肝機能障害(GOT値,GPT値,過酸化脂質量で評価)に対してアスタキサンチンは優れた保護効果を示し,その活性はα‐トコフェロールの約20倍,エラグ酸の約5倍であった。また,60Co照射によって誘導される脂質過酸化を各臓器別に検討したところ,アスタキサンチンは同様に強い活性を示し,α‐トコフェロールやエラグ酸をはるかに凌駕した。

35)

 W. Miki, N. Otaki, N. Shimidzu & A. Yokoyama (1994) Carotenoids as free radical scavengers in marine animals.  J. Mar. Biotechnol., 2, 35-37.

鉄‐ポルフィリン系でフリーラジカルを発生し,本系をDPNをスピンラベル剤としてESRスペクトルを測定してラジカル捕捉活性を測定する方法を開発した。本系を用いて海洋動物に広く分布するカロテノイドの活性を検討した結果,アスタキサンチンで最も強い活性を認め,次いでカンタキサンチン,ゼアキサンチンであり,これらの活性はいずれもβ‐カロテンやα‐トコフェロールと比較して数倍~数十倍強かった。本活性にはカロテノイドのカルボニル基が寄与すると考えられた。

36)

 A. Yokoyama, H. Izumida & W. Miki (1994) Production of astaxanthin and 4-ketozeaxanthin by a marine bacterium, Agrobacterium aurantiacum sp. Nov.  Biosci. Biotech. Biochem., 58, 1842-1844.

アスタキサンチンは産業上の応用が期待されるカロテノイドであるが,そのソースとしてはナンキョクオキアミ,赤色酵母ファフィア,緑藻ヘマトコッカス等かなり限定されていた。我々は海洋性細菌を対象とするアスタキサンチン生産スクリーニングを実施し,その結果,世界ではじめてアスタキサンチン生産細菌を見出した。本菌株は沖縄県慶良間諸島阿嘉島沖海水より分離したもので,同定の結果,新種でAgrobacterium aurantiacum sp. Nov.と命名した。

37)

 K. Kon-ya & W. Miki (1994) Effects of environmental factors on the larval settlement of the barnacle Balanus amphitorite reared in the laboratory.  Fisheries Sci., 60, 563-565.

論文(32)でタテジマフジツボ Balanus amphitrite の生活環を実験室内で完成したが,実験室内で飼育してきた養成種に対する温度,光,圧力,成体採取の季節変動など外的要因などを天然種と比較検討した。その結果,両者にはほとんど差がなく,実験室内での飼育方法が妥当であることが解った。

38)

 K. Kon-ya, N. Shimidzu, K. Adachi & W. Miki (1994) 2,5,6-Tribromo-1-methylgramine, an antifouling substance from the marine bryozoan, Zoobotryon pellucidumFisheries Sci., 60, 773-775.

駿河湾産ホンダワラコケムシ Zoobotryon pellucidum よりタテジマフジツボ幼生付着阻害活性を指標として活性物質2,5,6-トリブロモグラミンを得た。本物質は最小有効濃度が30ppbと極めて強い活性を示し,従来の船底塗料原料であるTBTOの約8倍であったが,毒性は低く,付着阻害機構が毒性に基づくものではないことが判明した。本化合物をリード化合物として産業上の応用が図られている。

39)

 H. Etoh, N. Murayama, N. Watanabe, R. Takasawa, W. Miki & K. Ina (1994) A method for assaying substances that promote attachment of marine sessile organisms using the blue mussel, Mytilus edulisJ. Mar. Biotechnol., 2, 55-57.

ムラサキイガイの付着忌避活性検定法として平板足糸形成法が汎用されてきたが,個体の前後で付着頻度が異なる等の弊害もあった。そこで被検試料の平板への塗布方法を格子状に変更したところ付着のバラツキが減少し,検定の精度が向上した。また,あわせて付着誘引物質検定が可能になった。

40)

 K. Kon-ya, N. Shimidzu, W. Miki & M. Endo (1994) Indole derivatives as potent inhibitors of larval settlement of barnacle, Balanus amphitriteBiosci. Biotech. Biochem., 58, 2178-2181.

2,5,6-トリブロモグラミンを有効なタテジマフジツボ幼生付着阻害物質として単離したが,本化合物の類縁体(インドール誘導体)計約500化合物について活性を評価した。その結果,グラミン誘導体は総じて活性が高く,かつ毒性は低かったが,ジメチルアミノメチル基を欠くグループは活性は低く,毒性も高かった。これらの中でも5,6‐ジクロログラミンおよび5‐クロロ‐2‐メチルグラミンは低毒性でかつ活性は2,5,6-トリブロモグラミンの2~8倍であり,現在,これらを基本とした環境に優しい船底塗料を数社と共同開発中である。

41)

 N. Misawa, K. Kondo, S. Kajiwara, Y. Satomi, T. Saito, T. Ohtani, A. Yokoyama & W. Miki (1994) Elucidation of an astaxanthin biosynthetic pathway at the level of the biosynthesis genes, Tennen Yuki Kagobutsu Toronkai Koen Yoshishu, 36, 175-180.

論文(36)で得た海洋性細菌を用い、アスタキサンチン生合成遺伝子のスクリーニングを行い、2種類の新遺伝子を含む新たなアスタキサンチン生合成系を推定した。この系では他のカロテノイドもあわせて生合成が可能であり,産業上での応用が期待される。

42)

 K. Kon-ya, N. Shimidzu, N. Otaki, A. Yokoyama, K. Adachi & W. Miki (1995) Inhibitory effect of bacterial ubiquinones on the settling of barnacle, Balanus amphitriteExperientia, 51, 153-155.

カイメン類はイガイやフジツボと類似した環境下に棲息するものの,他の生物による付着はほとんどない。そこで伊豆半島沼津付近で採取したクロイソカイメン Halichondria okadai を試料とし,まず,共存細菌を分離した。得られた培養菌体抽出液を対象として平板足糸形成法による検定を実施した結果,Alteromonas sp. KK10304株に活性を認め,活性成分をユビキノン‐8と同定した。ユビキノン類はいずれも活性を示した。海洋細菌は大部分がグラム陰性菌であり,ユビキノン類の分布は広いところから,特に共存微生物が圧倒的に多いカイメン類の付着忌避機構の化合物本体であることが示唆された。

43)

 H. Izumida, M. Nishijima, K. Adachi, M. Endo & W. Miki (1995) Akalone; a novel xanthine oxidase inhibitor produced by a marine bacterium, Agrobacterium aurantiacum sp. nov.  J. Mar. Biotechnol, 2, 115-118.

高い尿酸血症や通風の原因となる酵素キサンチンオキシダーゼの阻害活性を指標とする探索を,海洋性細菌を対象に行ったところ,沖縄県慶良間諸島阿嘉島沖海水より得た新種Agrobacterium aurantiacum sp. Nov.の培養液に強い活性を認めた。活性本体は,各種機器分析手法を用い,新規化合物4‐アミノ-1H‐ピラゾロ[3,4‐d]ピリミジン‐3‐オンと同定してアカロンと命名した。そのED50は16.9μMと市販薬アロプリノールに匹敵した。

44)

 N. Misawa, S. Kajiwara, K. Kondo, A. Yokoyama, Y. Satomi, W. Miki & T. Ohtani (1995) Canthaxanthin biosynthesis by the conversion of methylene to keto groups in a hydrocarbon β-carotene by a single gene.  Biochem. Biophys. Res. Comm., 209, 867-876.

アスタキサンチン産生菌Agrobacterium aurantiacum よりβ‐カロテンの4および4’‐位を酸化する酵素ケトラーゼをコードする遺伝子を分離した。本酵素はメチレングループを水酸基を経由することなく直接カルボニル基に導く新しい酵素であり,本遺伝子を大腸菌に発現することにより,カンタキサンチン(ジケト‐β‐カロテン)は得たが,β‐クリプトキサンチン(ジヒドロキシ‐β‐カロテン)は得られなかったことにより実証された。

45)

 A. Yokoyama & W. Miki (1995) Composition and presumed biosynthetic pathway of carotenoids in the astaxanthin-producing bacterium Agrobacterium aurantiacumFEMS Microbiol. Lett., 128, 139-144.

アスタキサンチン産生菌Agrobacterium aurantiacum を各種溶存酸素下で培養することにより,当該菌株は種々のカロテノイドを順次生産した。これらを生合成的見地から検討を加えた結果,本菌株中にはβ‐カロテンからアスタキサンチンに至る酸化経路がすべて存在し,これらは水酸化酵素とカルボニル化酵素の2種の酵素によって支配されていると推定された。

46)

 H. Izumida, W. Miki, H. Sano & M. Endo (1995) Agar Plate Method, a New Assay for Chitinase Inhibitors Using a Chitin-degrading Bacterium.  J. Mar. Biotechnol, 2, 133-136.

キチン分解菌を用いる新たなキチナーゼ阻害物質探索法を開発した。すなわち,キチン分解菌Shewanella sp. EY410株をイカキチンを含む寒天プレートに植菌し,被検試料をペーパーディスクにチャージして寒天プレートに置いた。数日の培養でキチナーゼ阻害物質を含む試料の場合は,ディスクの周囲にキチン未分解に基づくアンクリアが生じ,簡便に判定できる。標準キチナーゼ阻害物質アロサミジンを用いて検定した結果,1.6μMの濃度で充分に検定でき,本法の妥当性が支持された。

47)

 A. Yokoyama & W. Miki (1995) Isolation of myxol from a marine bacterium Flovobacterium sp. associated with a marine sponge.  Fisheries Sci., 61, 684-686.

パラオ産カイメン Homaxinella sp. より分離した海洋性共存細菌 Flavobacterium sp. より橙色色素を分離した。各種機器分析により,本色素をミクソールと同定した。ミクソールは藍藻類に広く分布するミクソキサントフィルよりラムノースが脱落したアグリコンであるが,天然界で発見した最初の例である。

48)

 K. Kon-ya, W. Miki & M. Endo (1995) L-Tryptophan and relatd compounds, as settlement inducers of barnacle larvae.  Fisheries Sci., 61, 800-803.

タテジマフジツボ幼生の付着行動をグラミン誘導体が阻害し,かつインドール誘導体全般が何らかの活性を示すことが明らかになったので,これら関連の受容体が付着に関与していると考え,付着を誘引する物質を探索した結果,L-トリプトファンおよびその関連化合物に誘引活性を認め,とくにセロトニンで顕著であった。そこで哺乳類におけるセロトニン受容体のアンタゴニスト等の活性を調べたところ,明確な付着阻害活性を示したところから,フジツボの幼生付着はセロトニン受容体の寄与を推定した。

49)

 N. Misawa, Y. Satomi, K. Kondo, S. Kajiwara, A. Yokoyama, T. Saito, T. Ohtani & W. Miki (1995) Elucidation of astaxanthin biosynthetic pathway at the gene level by functional analysis of marine bacterial carotenogenic genes expressed in Escherichia coliJ. Bacteriol., 177, 6575-6584.

アスタキサンチン産生菌Agrobacterium aurantiacum において,β‐カロテンからアスタキサンチンに至る酸化的生合成経路を推定したが,これらに係っていると考えられる2つの酵素,水酸化酵素とケトースをコードする遺伝子の単離に成功した。これらを用いて大腸菌に発現させたところ,予想通り海洋性細菌で見られるのと全く同様のパターンでカロテノイドが検出された。したがって,Agrobacterium aurantiacum においては,β‐カロテンからアスタキサンチンに至る生合成経路には酵素は2種類しか関与しないことが明らかになった。

50)

 W. Miki, N. Otaki, A. Yokoyama & T. Kusumi (1996) Possible origin of zeaxanthin in the marine sponge, Reniera japonicaExperientia, 52, 93-96.

ダイダイイソカイメンReniera japonica をはじめとするイソカイメン類は,レニエラテン,イソレニエラテンなどのアロマティクカロテノイドを有することで知られるが,一方,β‐カロテンやゼアキサンチンなどβ-イオノン環を有するカロテノイドもあわせて存在する。これらの起源についてあるいは共存微生物由来である可能性もあると考え,まず共存細菌を分離し,黄色色素生産菌を選択した。その結果,Flexibacter sp. DK30213およびDK30223株が効率的にゼアキサンチンを生産することを突き止めた。ゼアキサンチンは活性酸素消去作用を有することで知られるところから,これら微生物は共生微生物である可能性が強いと考えられた。

51)

 S. Mizobuchi, K. Adachi & W. Miki (1996) Antifouling Polyhydroxysterols Isolated from a Palauan Octocoral of Sinularia sp.  Fisheries Sci., 62, 98-100.

ムラサキイガイ付着忌避活性を指標とするスクリーニングの結果,活性を示したパラオ産八放サンゴSinularia sp. 抽出物より活性物質として4種のステロイドを得た。これらは構造解析の結果, 24-メチレンコレスタン-3β,5α,6β-トリオール-6-アセテート等で,すべて酢酸基を有した。

52)

 N. Shimidzu, M. Goto & W. Miki (1996) Carotenoids as Singlet Oxygen Quenchers in Marine Organisms.  Fisheries Sci., 62, 134-137.

熱依存的にかつ選択的に一重項酸素を発生するジメチルナフタレンエンドペルオキシドを合成し,本試薬を用いて海洋生物に普遍的に分布するカロテノイドの一重項酸素消去活性を,化学発光法を用いて算出した。その結果,非極性溶媒中ではアスタキサンチン,β‐カロテンなどに強い活性を認め,その活性はα‐トコフェロールの数十倍~数百倍であった。一方,極性溶媒中ではβ-カロテンの活性は極めて弱く,アスタキサンチンやカンタキサンチンのようにカルボニル基を有するのもの活性が顕著であった。また,中央ポリエン部分の共役二重結合の長さも活性に大きく寄与すると考えられた。

53)

 A. Yokoyama, W. Miki, H. Izumida & Y. Shizuri (1996) New Trihydroxy-keto-carotenoids Isolated from an Astaxanthin-producing Marine Bacterium.  Biosci. Biotech. Biochem., 60, 200-203.

アスタキサンチン生産海洋性細菌No. SD-212株の培養菌株からアスタキサンチンよりさらに極性の高い橙色色素を分離した。これらは天然物としては初めての水酸基を3個,カルボニル基を2個有する(2R,3S,3′S)-2-ヒドロキシアスタキサンチンと,その1個の脱カルボニル体である(2R,3S,3′R)-2-ヒドロキシアドニキサンチンであることを明らかにした。これらの生合成系については検討中である。

54)

 Y. Hayashi & W. Miki (1996) A newly developed bioassay for antifouling substances using the Blue Mussel, Mytilus edulis galloprovincialisJ. Mar. Biotechnol, 4,127-130.

従来,ムラサキイガイ付着忌避物質の探索法として平板足糸形成法が利用されてきたが,本法の欠点は試料量が大であることである。そこで,微量試料でも検定ができる方法としてムラサキイガイの足刺激活性を指標とする新手法を開発した。本法はムラサキイガイの閉殻筋を切除して殻を開き,足を露出して固定した後,候補物質を人工海水に溶解して足の先端部に滴下するもので,候補物質の濃度を変化させ,足の動態変化の閾値で活性を算出する方法である。平板足糸形成法との整合性も高く,天然物スクリーニングに威力を発揮すると期待している。

55)

 T. Nishigaki, K. Chiba, W. Miki & M. Hoshi (1996) Structure and function of asterosaps, sperm-activating peptides from the jelly coat of starfish eggs.  Zygote, 237-245.

ヒトデ卵のゼリー層は,精子の尖体反応を活性化させることがわかったが,ウニ等で尖体反応活性化ペプチドの存在が報告されている。そこで,ヒトデでの同種ペプチド(sperm-activating peptides=SAPs)の存在を推定し,ゼリー層を精製した結果,12種のSAPsを単離して11種の構造を解析できた。これらは全て34アミノ酸残基からなるグルタミンが豊富なペプチドで,Cys8とCys32で分子内S-S結合を有していた。これらはウニのSAPs(10アミノ酸残基)と比較してサイズが大きく,ホモロジーのあるタンパクは存在しなかった。N末端付近は活性にあまり関与せず,S-S結合は極めて活性に重要であった。これらの構造および活性は免疫学的手法によっても支持された。

56)

 榊  秀之・後出秀聡・中西達也・幹  渉・藤田藤樹夫・米虫節夫 (1999) Rhodotorula glutinis No.21 のカロチノイド生合成に及ぼす培養条件,  生物工学誌, 77, 55-59.

赤色酵母Rhodotorula glutinis No.21の色素主成分はβ-カロテンとトルラドディンであった。これら2種類のカロテノイドは培養条件によってその比率が大きく異なり,条件が酵母にとって悪化することにより,トルラドディンの比率が大きくなった。

57)

 M. Harada, Y. Kan, H. Naoki, Y. Fukui, N. Kageyama, M. Nakai, W. Miki & Y. Kiso (1999) Identification of the Major Antioxidative Metabolites in Biological Fluids of the Rat with Ingested (+)-Catechin and (-)-Epicatechin.  Biosci. Biotechnol. Biochem., 63, 973-977.

茶類の生理活性成分として知られるカテキンおよびその同属体をラットに与え、血液等体液での動態を検討した。その結果,カテキン類は同様な方法で抱合され,抱合体も活性を示すことを明らかにした。

58)

 H. Sakaki, T. Nakanishi, K. Satonaka, W. Miki, T. Fujita & S. Komemushi (2000) Properties of a High-Torularhodin-Producing Mutant of Rhodotorula gulutinis Cultivated under Oxidative Stress.  J. Biosci. Bioeng., 89, 203-205.

論文(56)でRhodotorula glutinis No.21がトルラドディンを生産することを明らかにしたが,この菌株は酸素ストレスを与える悪条件で変異的に生産することができた。なお、普通株のカロテノイド主成分はβ-カロテンで、トルラドディンは微量成分である。

59)

 H. Sakaki, T. Nakanishi, S. Komemushi, K. Namikawa & W. Miki (2001) Torularhodin as a potent scavenger against peroxyl radicals isolated from a soil yeast, Rhodotorula gulutinis J. Clin. Biochem. Nutr30. 1-10.

新手法により過酸化ラジカル発生・測定法を開発し、Rhodotorula glutinisが生産するトルラドディンについてラジカル捕捉活性を検討した結果、他のカロテノイドに匹敵する活性を認めた。本活性は中央部に存在する長いポリエン鎖に起因すると考察される。

60)

 Y. Yamano, Y. Sato, Y. Watanabe, K. Namikawa, W. Miki & M. Ito (2001) Carotenoids and related polyenes. Part 6. Stereoselective synthesis of astaxanthin analogues and their antioxidant activities.  J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1., 16, 1862-1869.

顕著な一重項酸素消去活性を示すアスタキサンチンについて、ポリエン鎖長の異なるアナログを化学合成し、その構造活性相関を検討した。その結果、共役2重結合数が7~11で消去活性と相関が認められたが、12~15では11と大差が無かった。すなわち、自然界に存在するアスタキサンチンの共役2重結合数11は極めて意義のある化学構造であると考えられる。

61)

 T. Iwamoto, K. Hosoda, R. Hirano, H. Kurata, A. Matsumoto, W. Miki, M. Kamiyama, H. Itakura, S. Yamamoto & K. Kondo (2001) Inhibition of Low-Density Lipoprotein Oxidation by Astaxanthin.  J. Atheroscler. Thromb., 7, 216-222.

虚血性心疾患を導くひとつの原因として血清LDLの酸化がある。そこで健常人にアスタキサンチンを2週間投与し、アスタキサンチンのLDL酸化抑制作用について調べた。その結果、アスタキサンチンを1.2mg/日摂取したグループで有意にLDL酸化が抑制された。この結果は、アスタキサンチンが虚血性心疾患の発症を予防的に抑制する可能性を示唆するものである。

62)

 H. Sakaki, T. Nakanishi, A. Tada, W. Miki & S. Komemushi (2001) Activation of Torularhodin Production by Rhodotorula glutinis Using Weak White Light Irradiation.  J. Biosci. Bioeng., 92, 294-297.

赤色酵母Rhodotorula glutinisのトルラドディン生産能増大を目的とし、論文(58)では培養時における酸素ストレス負荷による方法を検討したが、本論文では弱強度の白色光を照射することにより生産能力が増強されることを突き止めた。本研究はRhodotorula属に初めて光依存性を認めたものである。

63)

 W. Miki (2001) Carotenoids as Antioxidants.  Carotenoid Sci., 4, 37-38.

カロテノイドは自然界に700種以上存在するが、多くに「抗酸化作用」に関する報告がある。これらを精査した結果、カロテノイドの活性は一重項酸素消去活性および脂質過酸化抑制活性であり、いわゆる「抗酸化作用」ではなく、いわば「抗過酸化作用」であることを明らかにした。

64)

 Y. Nishida, T. Higaki, H. Kaneno, N. Kishimoto, T. Fujita, H. Sakaki, W. Miki & S. Komemushi (2001) Astaxanthin production by astaxanthin high producing mutant Agrobacterium aurantiacum N7+.  Carotenoid Sci., 4, 88.

アスタキサンチンを生産する海洋性細菌Agrobacterium aurantiacumのアスタキサンチン生産性を上げるため、様々な発酵学的手法を用いて変異株の取得を試みた。その結果、N7+と命名した変異株で大幅な生産性向上が認められた。本手法は現在、数社の企業により実用化に向けての検討が進められている。

65)

 H. Kaneno, R. Arakawa, H. Sakaki, Y. Nishida, N. Kishimoto, T. Fujita, W. Miki & S. Komemushi (2001) Screening of carotenoids from marine microorganisms., Carotenoid Sci., 4, 90.

海洋性微生物のカロテノイドに関する研究は、我々が論文(36)以降で行った一連の研究以外に見るべきものはない。そこで新カロテノイドおよびその生合成遺伝子群の探索を目的として、沖縄、フィリピンなど熱帯亜熱帯域海洋よりカロテノイド生産微生物のスクリーニングを実施した。

66)

 飯野妙子・中原光一・幹 渉・木曽良信・高田寛治・加藤伸一・竹内孝治 (2001) ウイスキーとエタノールの胃粘膜傷害性の比較-ウイスキーポリフェノール, エラグ酸の役割-, Jpn. Pharmacol Ther. (薬理と治療), 29, 323-330.

ウイスキーに含まれる代表的なポリフェノールとしてエラグ酸をあげることができる。ウイスキー飲用時での純アルコールとの体に対するダメージの比較を検討した。その結果、ウイスキーは胃粘膜における内側と外側でのポテンシャルエネルギーの差異を縮める方向で作用することを明らかにした。本作用の活性本体はエラグ酸であった。

67)

 T. Iino, K. Nakahara, W. Miki, Y. Kiso, Y. Ogawa, S. Kato & K. Takeuchi (2001) Less Damaging Effect of Whisky in Rat Stomachs in Comparison with Pure Ethanol.  Digestion. 64, 214-221.

論文(66)の英語版に、合わせて潰瘍生成の差異等を検討し、純アルコールと比較してウイスキーは、飲用時に胃粘膜に与える傷害が少ないことを明らかにした。本作用の活性本体もエラグ酸であると推定される。

68)

 H. Sakaki, H. Nochide, S. Komemushi & W. Miki (2002) Effect of Active Oxygen Species on the Productivity of Torularhodin by Rhodotorula glutinis No.21.  J. Biosci. Bioeng, 93, 338-340.

Rhodotorula glutinis No.21株の培養時に様々な分子種の活性酸素を用いてストレスを与え、トルラドディン生産性に対するについて検討した。その結果、スーパーオキシドアニオンラジカル負荷により、トルラドディンの生産性が向上し、β-カロテンのそれが低くなることが分かった。すなわち、イオノン環形成酵素は活性酸素により活性が低下することが示唆された。

69)

 H. Sakaki, H. Kaneno, Y. Sumiya, M. Tsushima, W. Miki, N. Kishimoto, T.  Fujita, S. Matsumoto, S. Komemushi & A. Sawabe (2002) A new carotenoid glycosyl ester isolated from a marine microorganism, Fusarium strain T-1.  J Nat. Prod., 65, 1683-1684.

論文(65)で行ったスクリーニングの結果、沖縄県慶良間諸島で採取した海洋性微生物Fusarium属T-1株より高極性カロテノイドを得た。化学分析の結果、本カロテノイドは従来報告のないカロテノイド配糖体であることが解った。

70)

 Y. Sumiya, H. Kaneko, H. Sakaki, A. Toriai, T. Sugimoto, S. Matsumoto, A. Sawabe, S. Kawamura, S. Komemushi, M. Tsushima & W. Miki (2002) New carotenoid Neurosporaxanthin β-D-glucopyranoside from Fusarium T-1 strain.  Carotenoid Sci., 5, 17-19.

論文(69)で得られたカロテノイド配糖体について、各種機器分析を行って構造を解析した結果、末端にカルボキシル基を有するカロテノイドであるNeurosporaxanthinの新たなエステル配糖体 β-D-glucopyranosideであることを突き止めた。

71)

 Y. Nishida, K. Fukuoka, H. Mitsui, Y. Sumiya, N. Kishimoto, T. Fujita, S. Matsumoto, A. Sawabe, S. Kawamura, S. Komemushi, M. Tsushima, H. Sakaki & W. Miki (2002) Cultural characteristics by Astaxanthin producing bacteria, Agrobacterium aurantiacum. Carotenoid Sci., 5, 36.

アスタキサンチンを生産する海洋性細菌Agrobacterium aurantiacumについて各種培養特性を検討した。その結果、C源、N源の若干の変更により、アスタキサンチン生産性の向上が認められた。また、温度に対しては感受性はほとんどなかったが、光ストレスにより生産性の向上が認められた。

72)

 K. Nakai, M. Harada, K. Nakahara, K. Akimoto, H. Shibata, W. Miki & Y. Kiso (2003) Novel Antioxidative Metabolites in Rat Liver with Ingested Sesamin. J. Agric. Food Chem., 51, 1666-1670.

ゴマに含まれる生理活性リグナンであるセサミンをラットに投与し、肝臓における動態を検討した。その結果、セサミンは肝臓ミトコンドリアp450によって両端のメチレンジオキシ基が解裂し、モノカテコール体に誘導された。さらに一部はジカテコール体に分解された。セサミンのin vivoにおける活性酸素消去活性は、これらリグナンカテコール体によるものと推定された。

73)

 T. Inui, K. Nakahara, M. Uchida, W. Miki, K. Unoura, Y. Kokeguchi & T. Hosokawa (2004) Oxidation of Ethanol Induced by Simple Polyphenols: Prooxidant Property of Polyphenols.  Bull. Chem. Soc. Jpn., 77, 1201-1207.

ポリフェノール類の酸化還元反応への関与を調べるため、もっとも単純な化合物としてカテコールおよびピロガロールを選択し、エタノールとの反応系を詳細に検討した。その結果、ポリフェノール類、特にピロガロールおよびその類縁体はpH等の条件によってむしろ酸化物質として働き、エタノール~アルデヒド~酢酸に至る酸化系を促進した。

74)

 Y. Nishida, K. Adachi, H. Kasai, Y. Shizuri, K. Shindo, A. Sawabe, S. Komemushi, W. Miki & N. Misawa (2005) Isolation of a carotenoid biosynthesis gene cluster encoding a novel enzyme, 2,2’-beta-hydroxylase, from Brevundimonas sp. SD212 and combinatorial biosynthesis of new or rare xanthophylls.  Carotenoid Sci., 9, 85.

カロテノイドで最も普遍的に見られる環構造、β-イオノンの各C-H結合の酸化酵素をコードする遺伝子について、すでに3位、4位に関しては論文(41)(44)および(49)で明らかにしてきたが、2位のC-H酸化酵素に関しては知見がない。そこで海洋性細菌Brevundimonas属SD212株よりイオノン環の2位を酸化する酵素をコードする遺伝子の探索を実施した。その結果、2,2’-beta-hydroxylaseをコードする遺伝子を得ることに成功した。本遺伝子を発現させ、新規あるいは希少なカロテノイドの生合成に成功した。

75)

 Y. Nishida, K. Adachi, H. Kasai, Y. Shizuri, K. Shindo, A. Sawabe, S. Komemushi, W. Miki & N. Misawa (2005) Elucidation of a carotenoid biosynthesis gene cluster encoding a novel enzyme, 2,2’-β-hydroxylase, from Brevundimonas sp. strain SD212 and combinatorial biosynthesis of new or rare xanthophylls.  Appl. Environ. Microbiol., 71, 4286-4296.

論文(74)で得られたイオノン環2,2’-β-hydroxylaseをコードする遺伝子の全塩基配列を決定することができた。この遺伝子は他のそれとほとんどホモロジーがなく、極めて稀な種類に属する。なお、淡水魚等でβ-カロテン-2-オールを体表に有する生物が存在するが、これらの来源は微生物等が生産する同種カロテノイドがそのまま餌として魚類に移行・蓄積されたものと推定された。

76)

 Y. Tarui, H. Iida, E. Ono, W. Miki, E. Hirasawa, K. Fujita, T. Tanaka & M. Taniguchi (2005) Biosynthesis of poly-γ-glutamic acid in plants:  Transient expression of poly-γ-glutamate synthesis complex in tabacco leaves.  J. Biosci. Bioeng., 100, 443-448.

納豆のネバネバで知られるポリ-γ-グルタミン酸は納豆菌Batilus Subtilis Nattoにより生産される。ポリ-γ-グルタミン酸の架橋構造体は水浄化作用を有し、実用化が進行している。そこで当該化合物の植物による生産を図り、ポリ-γ-グルタミン酸生合成酵素をコードする遺伝子を含む複合体をタバコに導入したところ、葉での発現に成功した。

77)

 M. Yasumoto-Hirose, M. Nishijima, M. K. Ngirchechol, K. Kanoh, Y. Shizuri & W. Miki (2006) Isolation of Marine Bacteria by In Situ Culture on Media-Supplemented Polyurethane Foam.  Mar. Biotechnol., 8, 227-237.

海洋性細菌は、通常海水あるいは海中浮遊物や生物などから分離するが、実験室で培養可能なもの以外は研究対象にするのは困難である。そこでウレタンフォームに培地を浸みこませたものを用い、海中に3~4日間設置して微生物を海水中で直接培養する方法を開発した。本手法により、例えば鉄を培地に含ませることによって鉄キレート活性を有する微生物を集積培養することが可能であるばかりではなく、回収したウレタンフォームを遺伝子源とし、培養が困難な微生物も直接遺伝子解析を行うことが可能になった。

78)

 M. Nakai, N. Kageyama, K. Nakahara & W. Miki (2006) Phlorotannins as Radical Scavengers from the Extract of Sargassum ringgoldianumMar. Biotechnol., 8, 409-414.

数十種の大型藻類を対象にし、活性酸素ラジカル消去活性を指標とするスクリーニングを実施したところ、佐渡達者湾で採取したオオバモクSargassum ringgoldianumの水抽出液に強い活性を認めた。活性の本体を精製し、各種機器分析に付したところ、活性成分はフロログルシノールを基本単位とする藻類特有のポリフェノール、フロロタンニン類であることが明らかになった。

79)

 M. Nakai, N. Kageyama, K. Nakahara & W. Miki (2006) Decomposition reaction of sesamin in supercritical water.  Biosci Biotechnol Biochem., 70, 1273-6.

ゴマに含まれる生理活性成分、セサミンを超臨界水分解し、メチレンジオキシドの還元的解裂によってモノカテコール体およびジカテコール体を得た。これらの化合物はセサミンを哺乳類が摂取した際、肝臓においてp450の働きで生成される化合物(論文72)と一致した。

80)

 M. Kawamata, K. Kon-ya & W. Miki (2006) 5,6-Dichloro-1-methylgramine, a non-toxic antifoulant derived from a marine natural product.  Prog. Mol. Subcell. Biol., 42, 125-39.

論文(38)および(40)で得られた低毒性で効果的に生物付着を阻害する化合物、5,6-Dichloro-1-methylgramineの実用化を図るため、実際に各種原料を用いて船底用塗料を製造し、安全性を調べた後、実海面を用いて効果を比較検討した。その結果、製造禁止の薬物TBTOを凌駕する効果を認めた。

81)

 Y. Sumiya, H. Sakaki, M. Tsushima, W. Miki, S. Komemushi & A. Sawabe (2007) Culture characteristics of carotenoid-producing filamentous fungus Fusarium T-1, and carotenoid production.  J Oleo. Sci. 56, 649-52.

熱帯域海水より得た海洋性糸状菌Fusarium T-1株について、その培養特性を検討し、さらに培養条件とカロテノイド生産性との関連について調べた。その結果、本菌株のカロテノイド主成分であるNeurosporaxanthin β-D-glucopyranosideは、生合成経路に律速段階をもたずに糖エステル化が起こることを突き止めた。

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Y. Sumiya, S. Morita, Y. Nishida, H. Sakaki, M. Tsushima, W. Miki, J. Tanangonan, A. Sawabe, Y. Sakagami & S.Komemushi (2008) Phylogenetic analysis of carotenoid-producing marine microorganisms around the coral reefs of the Kerama Islands of Okinawa. Biocontrol Sci., 13, 17-22.

沖縄県慶良間諸島のサンゴ礁海域で採取した、カロテノイド生産能を有する海洋性微生物について、系統学的解析を実施した。