米沢には総延長20 kmにおよぶヒメウコギの生垣が存在し、名実ともに日本一の質と量を誇っています。ヒメウコギにはバラセンのような鋭い刺があるために、防犯の役目を担った生垣として戦国時代に全国で植栽されたといわれていますが、米沢の気候がヒメウコギの生育にあったものであること、上杉鷹山公の教えを守って市民が大事に育てていること、などが原因ではないかといわれています。
米沢は雪深い地域ですので、米沢市民は雪解けのころに芽吹くヒメウコギの新芽を今か今かと待ち望んでいたのでしょうね。雪深い中での生活では、身体が変調をきたす者も多かったでしょうから、そこに薬効の大きいウコギの新芽を食することで、身体を元の状態に戻していたのかもしれません。現在でも米沢市民は、春先にウコギの新芽を楽しんでいますし、最近では、夏ごろから秋先までとれる若い枝(新梢、アスパラのようなもの)にも人気が集まっています。
(尾形健明/山形大学教授)
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